子どもに期待を抱きましょう


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・なぜ勉強しないといけないの?

 「因数分解なんて将来役に立つの?」とか「外国行かない人は英語いらないんじゃないの?」というのは、子どもたちがちょくちょく口にする疑問です。

 私は哲学科出身なので、この手の議論は好きです。だから、相手が本当に疑問をぶつけてきたのなら、至って真面目に返答します。

 ただし、多くの場合、要するに彼らは「勉強したくない」だけなのですね。ですから、そういうときは「金髪のかわいい女の子(男の子)に道を聞かれたときのためだよ」みたいな与太話をして煙に巻くことにしています。

 かりに、ここで理路整然と相手を説き伏せて、いかに勉強が人間の成長に欠かせないか力説したところで、子どもが「じゃあ勉強しよう」と進んで取りかかることにはならないのです。


・子どもの人生を決める

  ピアノやバレエなどのお稽古事は、子どもが自分からやりたいと言い出すまで待っていると、上達するのに欠かせない年齢を逃してしまいます。だから、まずは親が勝手に決めてしまい、なだめたりすかしたりしながら通わせるケースが多いでしょう。

 勉強の場合も、事情はこれに似ています。自分から塾に行きたいと言ったり、受験したいと言い出す子どもは少数派なので、最初に方針を決定するのは親であるべきなのです。

 もちろん、子どもが100%親の言いなりになるとは限りませんから、それなりの説得も必要でしょう。ただ、そのときに、正面から勉強の大切さを諄々と説いたとしても、なかなか首を縦に振る子どもはいないと思います。



・子どもに勉強させるには


 では、子どもたちを勉強させるにはどうすればよいでしょうか。相手は理性的に行動せず、感情のおもむくままに流される生きものです。ですから、一番効果的な方法は子どもの感情を動かすことなのです。

 子どもたちの気持ちが勉強に向かうのは、例えば次のときです。

1.何だか面白い!
2.テストの点数がよかった!
3.お母さんにほめられた!


 「算数が面白いなんて、うちの子に限ってありえない」と仰る方がいるかもしれません。でも、やり方を教えてもらい、マルをもらって褒められれば、子どもはこれを面白いと感じます。

 これは損得抜きの原初的な達成感であって、将来役に立つかどうかなんてことは、この場合、子どもにはまったく関係ないのです。

 そして、強調したいのは、この達成感は実際に始めないと味わえないという点です。登山したことがない人が、頂上から見る景色の美しさを知らないのと同じです。勉強の面白さは、勉強させてみないと実感出来ません。だから、誰かがムリにでも背中を押してやらないといけないのです。


・大人は自信を持って

 教育熱心な家庭もあり、それ以外のことを重視する家庭もありますが、最近は、子どもにどこまで干渉し強制したらよいのか、自信を持てないでいる親御さんが多いように思います。

 親が子どもに期待を抱くのは当たり前のことです。親が子ども自身に代わって、人生設計をしてやるのも、自然なことでしょう。

 なるほど、子どもはうんと言わないかもしれないし、親子ゲンカが起きるかもしれません。しかし、うまく行かなければ、軌道修正すればよいのです。そうやって、親子関係は常に変化し成長していくものです。どこのお家でも、この事情はまったく同じことなのです。
あさのは塾便り::勉強・子育てなど | 01:20 AM | comments (x) | trackback (0)

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