一周回って自己啓発


あさのは塾ブログ

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 自己啓発本というジャンルがありますね。

 そう、「人生で成功する方法」とか、「自己の能力を引き出すには」とか、生き方に役立つノウハウが書かれているあれです。

 書店で手に取るのはいささか気恥ずかしいが、アドバイスを読んで生かすことができれば、きっと有意義な人生を送れるでしょう。

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 定番のタイトルでいうなら、以下のような本になります。

 ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』
 カーネギー『人を動かす』
 コヴィー『7つの習慣』など
 それぞれベストセラーになっていますし、他にも星の数ほど出版されています。

 (なお、ここで扱うのは本の話です。「自己啓発セミナー」のようなものは玉石混淆と聞きますので、注意が必要です。本でしたら、もしかりにインチキでも、本代を損するだけで済みます)

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 自分はと言えば、人生が八方塞がりの人間にありがちですが、盛んにこうした本に手を出した時期があります。

 読書することはお手のものですから、読み始めるとホイホイ読みますが、これがけっこう面白い。

 エピソードに満ちていて、説得力がある。まあ、こういう本で一財産築いた人たちですから、そこら辺はすごく上手で、読みやすいです。

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 さて、それではその教訓に従って精進し、人生が好転したかというと、それがそうでもありませんでした。

 これは本のせいというよりは、自分のせいですね。まず、生来頑固で、相手の言うことを素直に聞かない。実行力もない。

 それに、文学部崩れの悪いクセで「実用書は思想書や文学書に劣る」みたいな偏見があって、無意識のうちに斜に構えている。

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 あれこれ読み比べると、書かれていることの違いが気になる。啓発本の系譜が気になって、この本はあの本の影響を受けているとか考え出す。

 どうせ深層心理かとか、ものの見方を変える話かとか、ひねた感想ばかり言っている。

 結局のところ、なんら実践的な知恵を身につけることなく、自己啓発マイブームは終わったのでした。

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 しかしながら、時を隔てて、啓発本なんて不要な人生に昇華できたかと言えば、そんなことは全然ないのです。

 考えてみれば、プラス思考になろうとか、積極的に問題に立ち向かおうとか、毎日の習慣を改めようとか、多くの人にとって、これらはいつになっても変わらぬ教訓です。

 改めて読んでみると、恥ずかしながら、やっぱり仰る通り、ということに気づくわけです。

 次回からは、手元にある本から、月並みには違いないけれども、いくつかアドバイスを紹介していこうと思います。
あさのは塾便り::本・映画など | 09:21 PM | comments (x) | trackback (x)

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