実現すること、しないこと


あさのは塾ブログ

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 あるところに大酒飲みがいました。彼には息子が二人いましたが、父親の酒癖のせいでどちらも小さい頃から苦労したそうです。

 やがて月日が流れ、息子の一人は父親と同じ大酒飲みになり、もう一人は恵まれない子どもたちの面倒を見る弁護士になりました。どうしてそういう人生を選んだのですかと聞かれたとき、二人の息子の答えは全く同じだったそうです。

「おやじが、あんなだったからね。」

(どなたかの自己啓発本のエピソードを下敷きにしています。名前を失念しました)

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 先日、「今度のテストの目標点数は50点」と宣言した中学生がいてブツブツ塾長に小言を言われたところです。

 子どもたちが勉強が難しいと騒ぐのはいつものことだし、冗談半分なのだからいちいち目くじらをたてる必要はないと思うときもあります。

 しかし、言霊思想というものもあります。それに次のような法則もあります。
「希望通りの人生を送ることは難しい。ましてや希望しなかったことはかなうはずがない」

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 将来ピアニストになりたいと考えたとします。無論実現させるのはなかなか難しい夢でしょう。しかし、ピアニストになりたいという夢を持たなかったら、その人は確実にピアニストにはなれません。

 自分の目標を50点と宣言する子どもは、90点、100点という未来を、自分の意志で切り捨ててしまっているのです。

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 大人になるというのは、現実と折り合いを付けながら、自分の将来を絞り込んでいくことです。その過程でさまざまな夢と決別していくこともある。でも、大人には大人なりに努力してきた歴史を持っている。

まだろくに頑張ることもないままに、子どもたちが若い身空で自分の可能性を狭めていく必要がどこにあるでしょう。
あさのは塾便り::勉強・子育てなど | 11:53 AM | comments (x) | trackback (x)

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