『チェンジリング』


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 『チェンジリング』は2008年のアメリカ映画(クリント・イーストウッド監督)です。

 ヨーロッパには、かつてフェアリーやエルフなどが人間の子どもをさらい、代わりに醜い子どもを残していくという言い伝えがあって、これを「取り替え子(チェンジリング)」と呼びました。タイトルはそこから取られていますが、といってもオカルトの物語ではなく、実際にアメリカで起きた誘拐事件を基にしています。

 1928年のロサンゼルス。シングルマザーのクリスティンが帰宅してみると、留守番をしていた一人息子がいなくなっています。数か月後、警察から子どもが見つかったという知らせが入り対面を果たしますが、なんとそれは自分の知らない子どもでした。

 しかし、警察はこの子があなたの子どもだと主張し、それを認められないのは心が病んでいるからだと言うのです。今なら考えられない話ですが、クリスティンは我が子を探し続けながら、他方で押しつけられた子どもが他人であると証明しなければならない羽目に陥ります。

 母親を演じるのはアンジェリーナ・ジョリー。彼女はアクション映画の派手な印象が強いですが、ここでは悲しみに満ちた、しかし毅然とした女性を演じており、しっとりとして美しい。

 決してハッピーエンドの映画ではありませんが、思いもよらぬ災厄に見舞われたとき、人はどうやって生き続けることができるのだろうということを考えさせられます。
あさのは塾便り::本・映画など | 06:22 AM | comments (x) | trackback (x)

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