2013,04,05, Friday
文章題の攻略は、数学(算数)の成績を上げるために必須です。京都の公立中学では、おおざっぱに言って、方程式の文章題が解けるか解けないかによって、数学の成績が(5段階評価で)4以上か3以下かに分かれると思ってよろしいでしょう。1.よく読んで、情景を描写する
文章題が苦手な生徒は、問題文を読んでキョトンとしています。すでに、2つのステップでつまずいています。
(1) 日本語に時間がかかる
まず、漢字や語彙に引っかかります。
次に、日本語だからわかるはず、と考えるのは早計で、文章の意味が頭に行きわたる速さは、ふだんから読んでいる日本語の量に比例します。読書しない子どもは、理解に時間がかかります。これは大人でも同じことです。
(2) 情景が思い浮かばない
さらに、読書をしないと、視覚的な想像力を働かせる機会がありません。映画でもゲームでも、素晴らしく緻密な映像が提供されて、口を開けて見ていればよい時代です。文章の意味がわかっても、それを絵にする習慣がないのです。
そこで、授業では、問題文を音読させてから、その設定をふくらませます。話をストーリー仕立てにして、ホワイトボードに絵や図を描き、生徒の想像力の穴を埋めてやります。
「太郎君がスピードを速めた」と書かれていたら、途中でトイレに行きたくなったから、と補ってやります。「お金をA君とB君で分ける」とあれば、生徒2人の名前をあてはめて読みます。だんだんと、情景が目に浮かびやすくなるので、「わかった!」と式を立て始める生徒も出てきます。
2.言い回しに慣れる
上で述べたつまずきは、いわば、生徒側に責任があります。しかし、一方、算数自体の側にも、連帯責任があると言わなければなりません。
(1) 変な言い回し、ありえない設定
「弟は妹の0.7倍より5本多い」
普通の人間は、こんなことは言わない。
「2Lあったしょう油を、昨日は3/8L、今日は1/7L使った」
どうやって量ったの? 何に使ったの?
「ツルとカメがいて、頭は全部で20、足は全部で64」
頭を数えたのなら、そのときにどっちの頭なのかわかったでしょ。
文章題には独特の約束事があります。日常会話として、また常識としては不自然な内容でも、「深くは突っ込まない」という暗黙の前提があるのです。
これは、文章題というゲームに課せられたルールです。ゲームに参加するには、ルールに従うしかありません。早く慣れてしまいましょう。
(2) 用語のわかりにくさ
和、差、積、商、はしたの数、かさ、以上、以下、未満、比べられる量、平方、3%の食塩水、2割の利益を見込む、など。
これらも、算数というゲームのなかの用語です。ゲームに参加するなら、とにかく慣れるしかありませんね。
3.先生の解き方を覚え込む
実際に、数学(算数)の能力が発揮されるのは、この段階からです。
学校の先生も、塾の先生も、文章題を解くときには、必ず図や表を書くはずです。この先生の解説こそ、宝の山だと思って下さい。
文章題の解説は、算数の教師の腕の見せどころであり、上手な先生ほど分かりやすく工夫された説明を準備しています。その解き方を綴れば、一冊の参考書ができるほどです。ですから、それを、そっくりそのまま頂いてしまいましょう。
黒板の図や表をノートに写し、先生と同じ手順で解けるようになるまで、練習を繰り返してください。
自分一人の力で考えることも大切ですが、無理だと気づいたら、すぐれた解法を覚え込むことです。それによって、新しい武器を手に入れることができるのです。それは、やがて自分の中で咀嚼されて、自由に使えるようになります。
悲しいかな、先生の解説の貴重さに気づかない生徒が、あまりに多いですね。結論の式だけを写して、計算ばかり熱心にやっていますが、文章題のツボはそこにはないのです。宝の山をみすみす見逃さないようにしましょう。
次に、日本語だからわかるはず、と考えるのは早計で、文章の意味が頭に行きわたる速さは、ふだんから読んでいる日本語の量に比例します。読書しない子どもは、理解に時間がかかります。これは大人でも同じことです。
(2) 情景が思い浮かばない
さらに、読書をしないと、視覚的な想像力を働かせる機会がありません。映画でもゲームでも、素晴らしく緻密な映像が提供されて、口を開けて見ていればよい時代です。文章の意味がわかっても、それを絵にする習慣がないのです。
そこで、授業では、問題文を音読させてから、その設定をふくらませます。話をストーリー仕立てにして、ホワイトボードに絵や図を描き、生徒の想像力の穴を埋めてやります。
「太郎君がスピードを速めた」と書かれていたら、途中でトイレに行きたくなったから、と補ってやります。「お金をA君とB君で分ける」とあれば、生徒2人の名前をあてはめて読みます。だんだんと、情景が目に浮かびやすくなるので、「わかった!」と式を立て始める生徒も出てきます。
2.言い回しに慣れる
上で述べたつまずきは、いわば、生徒側に責任があります。しかし、一方、算数自体の側にも、連帯責任があると言わなければなりません。
(1) 変な言い回し、ありえない設定
「弟は妹の0.7倍より5本多い」
普通の人間は、こんなことは言わない。
「2Lあったしょう油を、昨日は3/8L、今日は1/7L使った」
どうやって量ったの? 何に使ったの?
「ツルとカメがいて、頭は全部で20、足は全部で64」
頭を数えたのなら、そのときにどっちの頭なのかわかったでしょ。
文章題には独特の約束事があります。日常会話として、また常識としては不自然な内容でも、「深くは突っ込まない」という暗黙の前提があるのです。
これは、文章題というゲームに課せられたルールです。ゲームに参加するには、ルールに従うしかありません。早く慣れてしまいましょう。
(2) 用語のわかりにくさ
和、差、積、商、はしたの数、かさ、以上、以下、未満、比べられる量、平方、3%の食塩水、2割の利益を見込む、など。
これらも、算数というゲームのなかの用語です。ゲームに参加するなら、とにかく慣れるしかありませんね。
3.先生の解き方を覚え込む
実際に、数学(算数)の能力が発揮されるのは、この段階からです。
学校の先生も、塾の先生も、文章題を解くときには、必ず図や表を書くはずです。この先生の解説こそ、宝の山だと思って下さい。
文章題の解説は、算数の教師の腕の見せどころであり、上手な先生ほど分かりやすく工夫された説明を準備しています。その解き方を綴れば、一冊の参考書ができるほどです。ですから、それを、そっくりそのまま頂いてしまいましょう。
黒板の図や表をノートに写し、先生と同じ手順で解けるようになるまで、練習を繰り返してください。
自分一人の力で考えることも大切ですが、無理だと気づいたら、すぐれた解法を覚え込むことです。それによって、新しい武器を手に入れることができるのです。それは、やがて自分の中で咀嚼されて、自由に使えるようになります。
悲しいかな、先生の解説の貴重さに気づかない生徒が、あまりに多いですね。結論の式だけを写して、計算ばかり熱心にやっていますが、文章題のツボはそこにはないのです。宝の山をみすみす見逃さないようにしましょう。
勉強と子育てのQ&A | 10:19 PM | comments (x) | trackback (0)