「そろばん教室」「公文式」との違いは何ですか?(暗算について)


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 生徒によっては、そろばん教室や公文の教室と、学習塾とを掛け持ちしたり、どちらかをやめてから、学習塾に通う場合があります。このとき、しばしば生じる問題があるので、注意を喚起しておきます。

 それは、一言で言えば、「どこまで暗算させるか」という問題です。

速く計算するか、丁寧に計算するか
 一般に、計算は途中経過を丁寧に書くほど正確さが増しますが、計算の速さは遅くなります。

 逆に、途中の過程を省略すればスピードアップが図れますが、間違える危険性も増えてしまいます。

 どこまで省略し、どこから丁寧に書くべきかという境目は、各生徒の計算能力によって異なります。

「そろばん教室」「公文式」と学習塾の違い


 そろばんや公文式は、当座の目的が「計算」そのものであり、「正確さ」に加えて、「速く」計算することを重視しますから、少し冒険してでも、暗算での計算を奨励する傾向があります。

 これに対して、学習塾では、計算は大切ではあるものの、全体のパズルを構成する一つのピースにすぎません。取り組むべき問題は、その先にあります。

 そこで、計算レベルで間違えていたら、話が先へ進まなくなってしまうので、「無理に暗算して間違えるぐらいなら、ゆっくり丁寧に筆算しなさい」と言いがちなのですね。

 そこで、生徒にしてみると「こっちの先生とあっちの先生では言うことが違う」と混乱が起きるわけです。

(参考→ 公文式 よくあるご質問 「かけ算や1けたで割るわり算で、くり上がりや途中の計算式を書かないのはなぜですか?」

あさのは塾の対応


 筆算に頼らず、暗算にチャレンジすることは大切なことです。これをしないと、いつまでもたっても計算が上達しません。ほどよく暗算しつつ、テンポよく計算できるようになれば、むしろ正確さも増します。

 そういう意味で、そろばんや公文に通っていた子どもに限らず、暗算しようという積極性は評価するべきです。

 そこで、あさのは塾では、ノートの式の書き方を最低限守らせ(暗算で沈没する生徒は、ろくに式を書かないことが多いため)、リスクがあることを念を押した上で、途中経過を省略したければ省略させ、暗算したければそうさせます。

 そして、間違えた場合には、改めて丁寧に途中式を書かせながら、省略の許容範囲がどこまでなのかを見つける手助けをしています。

「そろばん教室」「公文式」に向かない生徒


 ところで、計算に速さを求められることを嫌ったり、計算自体に抵抗感を持つ生徒もいます。こういう子どもたちは、そろばんや公文には向いていません。無理に通わせ続ければ、算数ギライになってしまいます。

 実際、そういう事情で、塾を変わって来られる方も多いのです。無理にピアノを習わせたために、ピアノ嫌いになってしまったようなもので、残念な話です。

 人生、「計算」だけがすべてではありません。たとえ、計算が苦手でも、途中経過をきちんと書き、正確で丁寧な計算を心がければ、十分に数学の点数を取ることができます。そろばんや公文式でうまくいかなかったとしても、「通常の勉強生活にはまったく差し支えない」ことを強調しておきます。
勉強と子育てのQ&A | 10:15 PM | comments (x) | trackback (0)

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